車検の顛末
鹿児島から、一人暮らしの荷物と共に、石巻の公舎までやってきた相棒のハイエース。
4ナンバーの「貨物車」なので、車検は毎年受けなければならず、必然的に、石巻で車検を受けることになった。
車検の期限は、5月中旬。早めの予約で、割引サービスがあるのは知っていたので、石巻に来てすぐに、車検の手配をした。
地場の整備工場などの知識があるわけでなく、こういう時こそと思い、会員になっている、全国チェーンの、カー用品量販店大手に見積もりと、車検の予約に行った。
見積もりだけでも、順番待ちで、出直して来いと言われ、再度来店。簡単なチェックのあと、
「重大な問題が2つあります」
といわれる。ドキッとして質すと、
「まず、バンですから、荷室の仕切り棒を取り付けてください」
しまった!鹿児島で取り外して、家の物置に入れたまま、忘れてきた!
でも、まあ、妻に送ってもらえばいいか…お金かかるけど。
「もうひとつ、このセカンドシート、改造されましたか?バンでリクライニングは不正です。この状態で、当店では車検を通すわけにはいきません」
はぁ?どういうことだろう。中古で購入した車だから、前のユーザーが何かいじっているのかもしれないが、少なくとも、改造しているとの認識はない。すぐに、その場でネット検索し、純正品でなんら問題ないことを説明したが、
「ウチでは、ダメです。リクライニングはありえません。これは、バン用のシートではないです。」
これは困った。とりあえず、シートを純正品に交換することを条件に見積もりをもらった。5万円ほど。
その足で、ディーラーへ。閉店間際で申し訳なかったが、サービスフロントで確認してもらうと、間違いなく純正品だという。
頼るべきほかの店もないし、せっかく来たからと、ここでも車検の見積もりを出してもらう。おススメ整備まで含めて、13万円ほど。
おいおい、2倍以上するのか?
石巻に来て、鹿児島では一度も経験したことのない、しかも、身に覚えのない指摘を受け、精神的にもダメージ。でも、車検を通さないことには、持ってきたこのクルマ、ただの物置になってしまう。
仕切り棒は、宅配便で送ってもらい、送料は2,000円ほど。
問題は、座席だが、やはり、ディーラーも問題ないと言っているし、ネットで調べても、純正品そのものだし、なにより、「バンのセカンドシートは、リクライニング不可」という基準自体が見当たらない。
そう思うが、量販店の車検担当者は、頑として首を縦に振らず、仕方なく、ディーラーへ。
結局、おススメ整備を最小限に限定し(寒冷地なので、不凍液の交換と、以前から気になっていたブレーキ液の交換、ブレーキパッドの交換)て、かかった経費は11万円…。
晴れて、車検はパスしたものの、あの量販店氏の判断は何だったのか?
「宮城県の審査は厳しいもんですから」
という言葉で、すべてが済まされてしまうのだった。
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